絵画販売における価格について

世の中に流通している様々な芸術作品の価格が、どのように決定されているのかは、一般人にはわかりにくいものです。
昔日本の企業が買い取ったゴッホの「ひまわり」のように何億もの値がつくものもあれば、無名の画家の場合、普通の人でもお小遣い程度で買える作品もあります。
テレビの骨董品鑑定の番組を見ていると、本物であれば一千万円近くの値がつく時もあるし、偽物であれば千円の価値しかないことが明らかになり、そこが番組の見所にもなっているのは、誰もが知っていることです。
つまり、芸術作品は、価値があると世間から認められた作家による作品である、言い換えれば本物であることが大切なのであり、新旧は価値判断の基準にはならないということになります。
もちろん、その作家の作品数がどれだけ現存しているか、或いは作られた時代がどれだけ古いかによっても、価格が変わってくることも事実です。
さて画家と画商の関係が、作品が世に認知されるために重要な契機になるというのは、よく知られていることです。
事実、有能な画商は稀有な才能持つ画家を見出し、その作品を紹介し、また画廊で絵画販売を行います。
最近はデパートでも、絵画や陶芸などの芸術作品を展示また販売しているのを見ますが、この場合は画廊で行う絵画販売とは少し違います。
この場合、絵画販売の価格の決定権はデパート側にあるのです。
デパートで販売している絵画がえてして高額であるのはそのためです。
ですから、デビューしたての画家にとって最も良いのは、どこかの画廊で作品の展示会を行うことです。
場合にもよりますが、作品の価格は画家自身が決めることもできるからです。